統計では見えてこないモルフォセラピーの底力
黒澤明監督の映画「生きる」が、ノーベル賞作家のカズオ・イシグロの脚本によって、イギリスでリメイクされたようだ。私は学生のころ、池袋の文芸坐で黒澤の「生きる」を観た記憶がある。たしか3本立てが学割で100円だったと思う。
「生きる」は、胃がんで余命半年と宣告された男が、残りの人生をいかに生き抜いたかを描いた名作だ。この作品の発表当時、がんは不治の病だと考えられていたため、がんの告知は死刑宣告、すなわち死がごく身近に迫っていることを示唆していたのである。
しかし私がこの映画を観た1970年代あたりから、がんの治療は大きく変わっていった。がんの患部を広範囲に切除する拡大手術に始まり、激しい副作用を伴う抗がん剤の投与、放射線照射といった、勝ち目のない凄惨な戦いの場となったのである。その結果、単なる死病だったがんは、激痛を伴いながらのたうち回って死んでいく、業病へと変貌したのである。
ところが今では、「がんはすでに治る病気になった」といわれる。それほどがん治療は進歩したのだと医師たちは声を揃えていうが、果たして本当だろうか。
2023年3月、NHKで「がん患者の10年生存率が低下した」と報道されていた。生存率が低下した理由として、国立がん研究センターは「治療成績が悪くなったわけではなく、生存率の算出方法を国際的な新たな方法に変更したためだ」と釈明していた。
新たな方法とはよくいったものだ。この説明に隠された意図が、一般の視聴者に理解できただろうか。要するにこれは、「これまでは国内だけに通用する特殊な基準を使って、がんの治療成績を粉飾していました」という意味なのだ。
今に始まったことでも、医学に限った話でもないが、統計というのは算出の仕方によって、どのようにでも印象を操作できる。それにしても日本のがん治療の統計は、操作し過ぎの感がある。
たとえば日本独自の過剰診断システムによって、毎年おびただしい数の前立腺がんや甲状腺がん、乳がんが発見されている。ところがこれらのがんは、もともと10年生存率が非常に高いがんなのである。そのようながんの発見数が増えれば、おのずとがん全体の10年生存率は押し上げられることになる。
また誤診によっても、がんの生存率は大きく変化する。がんの誤診とは、がんではないものをがんだと診断するのだから、がんで死亡しないのは当たり前なのだ。この特殊な事情を考慮したうえで、がんの正確な生存率を知りたければ、転移が見られない初期のがんの患者を除いた統計が必要となる。そうすれば誤診による統計のゆがみが排除できる。
ただし、がんの統計で重要なのは10年生存率ではない。もっとも重視されるべきは、がんの死亡者数なのである。この数の変化によってのみ、がんの治療効果の遷移が明確になるのだ。
だが統計に見られるがんの死亡者数にも、問題が潜んでいることがわかってきた。実は抗がん剤治療によって、患者はしばしば間質性肺炎に陥るが、そのまま死亡した場合、死因はがんではなく肺炎だったことにされてしまう。すると長年がんの治療を受けていたにもかかわらず、がんによる死亡者には含まれないのである。
さらに気になるのは、新型コロナウイルスの流行以前から、統計上は肺炎による死者が増えていた点だ。肺炎が増えた理由は明らかにされていない。しかしがんによる死亡者が一向に減らないので、一部を肺炎の死亡者に計上することで、がんの治療成績をごまかしていたのではないか。
そう考えていくと、今回発表された「10年生存率53%」という数字も怪しく見えてくる。以前よりも数値が下がったとはいえ、この数字ですら鵜呑みにはできない。そもそもがんの最大の栄養源であるブドウ糖を制限せずして、がんが治る病気になったなどとは到底思えないのだ。
がんに限らず、日本の医療では統計数字と実態とが一致しないことが多いのではないか。
腰痛は今やありふれた疾患だが、「生きる」のころはがん同様、今ほど一般的ではなかった。それがこの半世紀あまりで急増しているのだ。にもかかわらず、医学の世界ではこの変化に対して全く危機感がない。
確かに、腰痛ではがんのように死ぬわけではないから、医師から軽視されるのも仕方がないのかもしれない。その原因の9割が精神的ストレスだと考えられている点も、腰痛が問題視されにくい一因だろう。精神的ストレスが原因なら治らなくて当たり前。治癒率の統計をとる必要すらないと考えているのかもしれない。
ところが実際には、腰痛で病院を受診して、精神的ストレスが原因だと診断された人はあまり見かけない。若ければ椎間板ヘルニアで、高齢者なら脊柱管狭窄症と診断されることが多いようだ。それもそのはずで、整形外科を受診した患者の9割に対して、原因は精神的ストレスだ、などと診断していたのでは、病院経営が成り立たなくなってしまうのである。
もちろん、大多数の腰痛は背骨のズレが原因なのだから、この認識がなければ、病院での治療成績が芳しくないのも当然だろう。
それでは、その背骨のズレに直接アプローチするモルフォセラピーなら、腰痛治癒率はどれほどになるだろう。以前モルフォセラピー医学研究所で聞いたところ、7割ぐらいではないかという話だった。これは統計ではなく、あくまでも施術者の実感としての数値である。しかし実感による数値は、統計ほどごまかしがきかない。治ってもいないのに、治ったと思い込める人などそうはいないからだ。
多分、モルフォセラピーの施術者なら、似たような感想を持っている人は多いだろう。しかも7割というのは矯正の場での数字であり、翌日や数日後に解消する例も少なくない。ある整形外科医の著書では、半年後の患者の感想まで治療成績に上乗せしていたが、民間療法の世界では、そんなノンビリしたことではやっていけない。
またモルフォセラピーの治癒率7割は、単なる腰痛だけが施術の対象ではない。腰痛といっしょにひざや股関節などの下肢の症状までカバーしている。そこには便秘、頻尿、生理痛などのような、消化器、泌尿器、婦人科の諸症状の解消まで付随している。
こういったモルフォセラピーによる矯正の効果は、統計もないのでなかなか実態が見えてこない。患者本人が「治った」と言い、施術者にも「治せた」という実感があっても、医師でなければ「治した」とはいえない。そのため、治療成績を数字ではアピールできないのだ。ここに大きなジレンマがある。
しかし今、日本モルフォセラピー協会の指導陣によって、多くの症例が集められている。その集計によって、将来的にはモルフォセラピーの治療効果を、統計として客観視できるようにしたいと考えている。できれば協会会員の方々にも、各自で矯正の結果を記録に残していただければありがたい。それがいずれは膨大な資料となって、確たる統計として世界に示せる日も来るだろう。何とも楽しみなことである。(花山水清)
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